IMツアー5日目・本番ランパート

今回のランパートは、今まで出場したどのトライアスロンでも経験のないような調子のいいランでした。これはフォームを変えた結果なのか?
スタート序盤は公園周辺を走っていくのですが、道すがらに応援の看板が貼ってあり色々な国の応援メッセージが書いてあって面白かったです。走りながら気がまぎれました。そして福江空港を走り、折り返し地点を曲がり、いよいよ18km周回コースへ入ります。
コース全体的に、一応アップダウンは微妙にありますが、三浦ハーフを経験していればこの程度はフラットな部類です。
最初の1周の途中で、私の後ろから追いついてきた選手にその選手の知り合いと思しき人が「今9位!前の人を抜いたら8位だよ!」と声をかけていました。抜いていったその選手は私と同じカテゴリCの選手。
…俺今9位なの…?にわかにハワイというのが夢から現実になるような、そんな気がしました。
途中ペースダウンした3人を抜いたのですが、私自身も15km地点辺りで最初のペースダウンがありました。しかしここも我慢。フォームを崩さなければスピードは落ちないと信じ、20km地点まで我慢の走りを続けました。
1周目の周回が終わると、武家屋敷の細道を通ります。観戦していた子供が「付いて行こう!」と私を追いかけ始めました。やべぇ、こりゃ負けられん!でもなかなか追い抜きません。消耗した人間の走りだから子供なら余裕で付いていけるだろうと思って「おー!じゃあ一緒にあと20km走るぞ!」と声をかけてみたのですが、暫くすると子供たちが結構キツそうになってきて「やっぱ速え〜」と止まっちゃいました。やっぱり子供にとっては私の走りは速いんだなぁ。こういうイベントがあって気がまぎれたのか、ここからまた調子が戻ってきました。
1kmごとのエイドステーションはすべて使い切りました。水2杯を頭からかぶり、スポーツドリンクかコーラでエネルギーを補給し、状況によってはかんころもちやフルーツで捕食もしました。今回結構捕食したのに全く胃がひきつけなかったのは本当に驚きです。いつもだったらそれで走れなくなるのに…
30km地点で2回目のペースダウン。気づいたら重心の低いグダグダのフォームになっていて、いかんいかん!とフォームを戻し、また我慢の走行です。
しかしこのペースダウンも5km位で元に戻りました。ラストの上りも上りきり、ついに周回コースを抜け、ゴール方向に曲がります。ラスト5kmは頭の中で練習コースをイメージしながら走ってました。5kmなんてウォームアップで走るくらいの距離です。あとちょっとじゃないですか。
残り1km。見覚えのある看板が見えてきました。ジャパン名物の残り600mのネオン看板です。4年前に放送されたジャパンの番組で、夜に煌々と光るネオン看板を見てワクワクしたのを思い出しました。あの看板です。しかも光ってません。そりゃそうです、まだ日が沈んでないんですから。
アームウォーマーを脱ぎました。1本落としちゃったけどしょうがない!ゴールの石田城に入り、無意識のうちにペースが上がっていました。ゴールのスタンド前で観客とバチンバチンハイタッチしゴールゲートへ。11時間23分4秒。出来過ぎのタイムでした。

完走者タオルをかけられ、そのままシャワーを浴びずにマッサージを受けに。10分だけだったしボランティアのマッサーだから本格的なものは期待してなかったのですが、気持ちはいただきました。

マッサージが終わって、フィニッシュゲートの様子を観にいくと、同じ民宿の選手が来ていました。「タイムどうでした?」「いやー、完走できなくってさー」…え?
なんとスイムの段階で低体温症にかかり、ライフセーバーのボートで休んでいたけどそのまま意識を失ってしまったらしい。命あってのものだねとはいいますが、しかし無念だったろうと思います。結局バイクもランも走れなかったわけですから…

その後バイクを回収して民宿に戻り、ダンボールに詰めました。民宿のおばちゃんと完走を喜び、弁当を食べつつ祝杯をあげ、他の選手の帰りを待ちます。
民宿リザルトで一番ギリギリだった選手は私と同じく初アイアンマンで一緒に作戦を色々練っていた人。20分前にゴールだったらしいです。間に合って良かった!
一番速かったのは、日本人2位の西内洋行選手!なんとオリンピアンと同じ民宿だったのです。TVで速報のようにスイムの様子が紹介されていたので観たのですが、泳ぎの勢いが違ってました。別格でした。
しかし完走できなかった人も2人居ます。完走率90%でしたから、10人民宿に居れば1〜2人は完走できない人が出てきます。これもアイアンマンの壁。来年頑張りましょう。私ももっと記録を上げるために頑張ります。