IMツアー5日目・本番バイクパート

雨の中のバイクスタート。いつもならどんよりしながら走り始めますが、今回はそうも言ってられません。去年の今ごろ、嵐の中の練習も必要だと言った気がしますね。
バイクに乗せた食べ物は大量の黒砂糖とアスリートソルト。それとウェアの背中にパワージェルを2本入れています。ボトルは大塚製薬のWアミノバリュー。ちょっと高いんですが(ていっても50円くらいだけどね)、前回大井10周回でこれを使って全然疲れなかったので今回もお世話になることにしました。
あと腕時計をスタート段階から1時間刻みのタイマーで動作させていて、どんなに状態が良くても1時間ごとに何か食べていこうというマイルールで行きました。
序盤はフラットもしくは細かいアップダウンの繰り返しで、しかもスイム後で心拍数も腕の乳酸も落ち着かずなかなかスピードが伸びません。しかし何人かの選手に抜かれつつも登りもしくはその後に追いつく展開が出来、暫く我慢のレースが続きます。
あと初アイアンマンで落車はイヤだなぁということで、危なそうなカーブは一通りブレーキを十二分にかけてクリアしていきました。それでも濡れた路面で3回くらいタイヤがはじかれた気がします。
気持ちが切り替わったのはアップダウンでのレース展開。女子の選手を登りで抜いたのですが下りで抜かれてしまい、去年の長崎大島のダメなレース展開を思い出しました。このままじゃいかん。作戦変更。
「登りで頑張らない」
本当だったらフラット部分をがっちり握って腹筋背筋を使ってパワーをかけていくのですが、今回はギアをインナーローまで落として上半身を使わず、パッドを指先で支えるだけで上がっていきました。それでも自分のタイムの選手の中では程よく速くあまりに楽そうにスイスイ登っていったので他の外国人選手から「この坂はそんなにイージーなのか?」と聞かれる始末。いやそんな簡単じゃありませんよ下りはフルガスですから。
上りをフルパワーで走ると普通の選手は終わりのフラット辺りで力尽きて惰性で転がします。だから上りはとりあえず心拍数を整え、フラットになりかけた辺りからダンシングで一気に上り、その勢いを下りにつなげていきます。最速どれくらい出ていたかはまだ見ていません。60km/h以上はもう前に集中しないと怖くてメーターが見れませんでした。
途中スペシャルニーズを取り、おにぎりを食べようとしたのですがラップが剥がせず止まって剥がしにかかりました。しかし剥がせたものの今度はおにぎりのサイズが大きすぎて食べきれません。結局半分かじった辺りで諦め。後はパワージェルと黒砂糖で頑張ることにしました。止まってる間に外国人選手にニヤリと笑われながら抜かれました。待っちょれよー。
後半の40km周回コースの1周回目が終わった辺りで、2周回目のエリート選手に周回遅れでパスされました。ピータークロプコとジェイソンショーティスです。エリートというともうガツガツ踏んで化け物のように速いとばかり思っていたのですが、2人ともそんなに速くはありませんでした。しかし微妙に速いのです。あれあれ?と思っている間にジワジワと離され、私が下りはじめたらもう影も形もありませんでした。この積み重ねが1時間差になるんだなと痛感させられました。
バイク後半になると路面が乾き始め、思い切ったコーナーリングもできるようになりました。40km周回の2周回目は少しコースの勝手もわかったので、上りの長さを思い出しながら短かかったら下りの勢いとパワーで一気に上りきったりしてスピードを上げていきます。
40km周回の2周回が終わったら、真っ直ぐゴール地点に向かいます。厳しめのアップダウンもありましたがここもあせらずにクリアし、長い6時間の福江島ツアーが終わりました。
いやホント、バイクパートは長時間勝負なので、福江島ツアーくらいの気持ちで楽しまないとしんどいなぁと思いました。
ジャパンのバイクコース。総合すると無茶苦茶厳しい坂はないのですが、小〜中の坂がジャブのようにドスンドスンと効いてくる感じでしょうか。どこかで無理をするときっとズルズルとタイムを落とす、そんなコースだと思いました。
さてバイクトランジション。ジャパンはバイクを自分でラックに戻す必要が無く、スタッフが運んでくれます。また選手一人一人にボランティアが付いてくれて、ウェアや靴下を着やすいように広げてくれて凄く助かりました。実はこの時ランシャツが背中で巻いてしまい上手く着れなかったのですが「ゴメン!背中下ろしてくれないかな?」というお願いまで聞いてくれてボランティアが天使に見えました(男子だけどな)。
着替えのテントから出たところでMCに名前を呼ばれ、気持ち良かったです。